恋に落ちた調味料 〜油編〜
今日、紹介するのは油です。
調味料は日常的によく使うからこそ、吟味が大切。新鮮な自然の恵みを閉じ込めたその活力を十分にいただきたいものです。
我が家はとにかく揚げ物が多いのです。
我が家の揚げ物を食べた友人やお客さんからは「どうしてこんなに美味しいの?」「たくさん食べても全然体が重たくない」「冷めてもべちゃっとせず、カリッ、サクッとしてるのはどうして」と聞かれることがあります。
また、息子の主食はフライドポテトかというくらい、我が家は毎日のように揚げ物をしています。
カリッと揚げたハッシュドポテト、
秋になれば牡蠣フライやさつまいもの天ぷら
いや、天ぷらは年中揚げている気がする。
毎日使う油だから、いいものを使いたい。
そう、「いい油を惜しみなくたっぷり使う」実は、これがとびきりおいしくて、身体に害のない揚げ物をつくる「たったひとつに秘密」です。
それでは、いいものとは?
意外と知らない油の種類
一言に油と言ってもいろいろな種類があります。
それは、もととなる原料が違うから。「なたね油」「米油」「胡麻油」「ココナッツオイル」「えごま油」「オリーブオイル」あたりは分かりやすいですが、「キャノーラ油」(アブラナを品種改良したもの)やサラダ油(原料がサラダなのではなく、サラダにそのまま使えるというところから来ているそう)は、なたね、大豆、とうもろこし、ひまわりなどの植物が原料です。原料によって風味や色が異なるため、品質を均一にするためにブレンドされたものが多いです。そのほか最近よく見かける「亜麻仁油」はアマという植物の種であるアマニから作る油です。
これら食物性の油の他に
動物性の「バター」「ラード」(豚の油)「鶏油(ちーゆ)」「牛脂」などもあります。
油選び、3つのポイント
① 種類よりも品質で選ぶこと
② 原料にこだわった油を選ぶ
③ 圧搾法の油を選ぶ
種類より品質で選ぶ
「オメガ3」や「オメガ6」という言葉を聞いたことはありますか。油を考える上で知っておきたいのがその性質です。
油には2種類あり、簡単に言えば(常温で固まるお肉やバター、ラードなど動物性の油=飽和脂肪酸)と(常温で液体の植物や魚の油=不飽和脂肪酸)です。後者の不飽和脂肪酸には、体内で作ることのできない「オメガ3」と「オメガ6」という成分があり、これらを食べ物から摂取する必要があります。そんなことから「必須脂肪酸」なんて言われることもあります。
健康に敏感な方の中には、「オメガ3がよくて、オメガ6は摂らない方がいい」と思っている方がいるかもしれません。これは半分正解で、半分間違っています。
本来オメガ3もオメガ6も身体に必須の栄養素なので、どちらがいい・悪いということはありません。ただ、現代人に不足がちなのがオメガ3で、摂りすぎなのがオメガ6という側面はあります。おそらくそこから来ているのでしょう。健康な身体を作るのはオメガ3とオメガ6の比率が「1:2」がちょうどいいとされていますが、現代人は「1:10」くらいになっているそうです。
私が「恋に落ちた調味料たち」で紹介した基本の調味料を変えていけば、日々の食事の仕方が変わってきます。その中で摂る油の量も減ってくるでしょう。
原料にこだわった油を選ぶ
原材料の菜種が、遺伝子組換えでないこと。これは必須です。そのために、ラベルに「遺伝子組換えでない」と書かれたもの。
(2023年4月から、遺伝子組換えに関する表示義務はなくなりました。つまり、遺伝子組換えじゃない原材料を使っていたら、生産者はそれを伝えたいはず。ラベルは、生産者からのメッセージです。)
油を抽出するときに薬剤を使っていないこと。これは油の製法の違いになります。
油の製法には3つの方法があります。
圧搾法
原料に圧力をかけて油を搾りとる方法で「一番搾り」とも言います。おすすめはこの「圧搾法」で作られた油です。昔ながらの製法で、油にビタミンなどの栄養素も豊富に残る上、香りや風味がいいのも特徴です。他の方法と違って化学薬品を使わない点も安心できます。「圧搾」「一番搾り」「玉締め」のいずれかが書かれたものを選んでください。
抽出法(化学処理)
抽出法とは、原料に油を溶かす薬剤を入れて、化学的に油を抽出する製法です。油を抽出した後に蒸留をして薬剤を分離させ、その後も脱色、脱臭、酸化防止のためにいろんな薬剤が加えられます。効率的でかつ低コストで油を作れるため現在、店頭に並ぶほとんどの油がこの製法です。
圧抽法(圧搾+抽出)
最後が圧搾法で油を搾った後に、その残りかすに対して2つ目の抽出法を使うという合わせ技が圧抽法です。残りかすも有効に無駄なく抽出しようと考えたのがこの方法です。
私が今回選んだのはこちら
石橋製油の菜種油
すっきりした油。
ごちゃごちゃ良さげなことを書きたがるメーカーが多い中、
シンプルなパッケージ。
その潔さがかっこいいのです。。と、いつもうっとりしてしまう。
石橋製油の菜種油 ←公式サイトはこちらから
一人二人暮らし、料理を普段しない、
揚げ物はしない、という方にオススメな少量サイズ。
希少な国内産菜種が原料。
OMEGAファーマーズ ←公式サイトはこちらから
大容量で、国内産菜種がいい場合はこちら。
平田産業有限会社 ←公式サイトはこちらから
よい油をつかえば、特に技術らしい技術は必要ありません。
素材に気を使った本当に美味しい揚げ物は、家で楽しむもの。そう心得て、ぜひご自宅で揚げ物を楽しんでください。