恋に落ちた調味料 〜味噌編〜
一杯のお味噌汁が、おもてなしにもなれば、ボリュームのあるおかずにもなる。
冬場は、手先も心も温めてくれる養生食にもなる。普段お味噌汁、飲んでいますか。「味噌は朝の毒消し」「医者に金を払うより、味噌屋に払え」「味噌汁は一杯三里の力」などのことわざがあるように、味噌は健康に欠かせない食材です。
味噌の種類や具材によってもその表情を変えていく。
「味噌は、汁で」
私が開く料理教室で、まず最初にお伝えするのが、ごはんの炊き方と味噌汁の作り方です。
それほどまでに私は味噌が大好きです。
味噌の原料は3種類
そもそも味噌がどうやって作られるか知っていますか。味噌の基本的な原材料は「大豆」「麹(米麹、豆麹、麦麹)」「塩」の3つだけ。米麹を使えば「米味噌」に、麦麹を使えば「麦味噌」に、豆麹を使えば「豆味噌」になるというわけです。
また使う大豆の種類や塩分量、製造方法によっても、味噌の色や味が大きく変わってきます。シンプルであるからこそ、奥深く妥協が許されないのが味噌なのです。
味噌は「生きている味噌」を
昔ながらの製法で作られた味噌には、添加物が含まれていません。
「添加物ってよく聞くけど、なに?」という方へ。添加物とは、原材料のところに書かれた「調味料(アミノ酸)」「ビタミンB2」「保存料(ソルビン酸)」「酒精」などです。
一つずつ見ていきましょう。
「アミノ酸」は、うま味を加えるもの
「ビタミンB2」は、見た目を色鮮やかにするもの
「ソルビン酸」は、保存のために用いられるもの
「酒精」は要はアルコールです。味噌の発酵を止める働きがあります。そもそも味噌は発酵食品なので、本来であれば店頭に並んだ間も発酵し続け、色や香り、風味が変化していくものです。ですが、それだと品質が一定にならないので、酒精を加えて麹菌の発酵を止めているのです。発酵が止まることで、袋の膨張を止めることもできます。
でも、本来味噌は発酵し続ける「生きている」食品です。腸内環境を整えてくれる麹菌を腸に届けるためには、この「生きている味噌」を選ぶことが大事です。
原料にこだわった味噌を選ぶべし
よりこだわるのであれば、原材料もしっかり確認しましょう。
① 国産の大豆かどうか
② 遺伝子組み換えではないもの
③ 塩は天然塩
特に見落としがちなのが塩ですが、味噌の原料の10%は塩です。原材料の表示項目には「食塩」としか表示されませんが、こだわった味噌屋さんは、パッケージにそのことを表記していることが多いです。
迷ったら「天然醸造」「木桶」
味噌の選び方で迷ったら「天然醸造」と書かれたものを選んでみてほしいです。
「天然醸造」は、木樽で発酵、熟成させたもの。
つまり、手間がかかる。
私思うんだけど、手間をかける製法をわざわざ選んだ人たちが材料に妥協する、ってないんですよね
だから、
「天然醸造」の4文字を探してもらえたら。
天然醸造と書かれたものは、発酵のチカラが抜群で、腸内環境を整えてくれます。
大切な人に、1番たくさん消費してほしいと願う調味料が、味噌だなって思う。
味噌は本当にもう、選びきれないので、
心を鬼にして、
3つに絞りました。
①これから先、同じ味噌しか使えないよ!
さぁ、どれか選びなさい!と言われたら、迷わずこれを選ぶ。
海の精の玄米味噌 ← 海の精の公式サイトはこちら
中辛口。
どんな素材にも、どんな季節にも合う。
「黙って俺についてこい」と言ってるような主張の強い味噌なので
出汁は優しめが合います。
②秋田にある味噌蔵。
お味噌汁は、喉が焼けるくらい熱々が大好きだけど、
冷めたお味噌汁がこんなにおいしいなんて、、、と、一瞬で恋に落ちた。
冷めたお味噌汁を、あつあつご飯にかける。
夏のご馳走だなって思う。
どこまでも優しくて、秋田の雪景色を思わせる味噌。
きすけ味噌 ← きすけ味噌の公式サイトはこちら
③長野の味噌。
「これ以上足すことも、引くこともない」と、自分たちが作った味噌に言えるのが好き。
秋になったら、長野できのこをどっさり買って、この味噌でほうとうを作るの。
秋の1番の楽しみ。
石井味噌がくれる、秋の至福。
石井味噌 ← 石井味噌の公式サイトはこちら
出汁と味噌と具材。とてもシンプルな組み合わせなのに、心と体を瞬時にほぐしてくれる。
そんな味噌汁を作れたら、お家の料理はもうそれで十分ではないでしょうか。
さあ、今日の味噌汁は、何にしよう。